Menu ×

Manner Up Magazine > コミュニケーションマナー > 女性も意外と苦手な「褒め方」~タイプ別褒め上手になる方法
お花と白い壁

女性も意外と苦手な「褒め方」~タイプ別褒め上手になる方法

2020/05/15


みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの大縣 真弓です。
部下育成に欠かせないスキルの一つとして「褒める」があります。褒めることは、人材育成においても、最も的確に人を伸ばす効果が期待される、有効なコミュニケーションツールの一つと考えられています。

しかし、いざ「さぁ、では褒めてください」と、言われてもなかなか難しいと感じる方をたくさんお見受けします。
褒めることが苦手だったり、躊躇している方は、次のようにおっしゃいます。
「何を褒めて良いのかがわからない」
「褒めても何だか嘘くさいと思われそう」
「変に褒めて、部下に勘違いさせたくない」など、
同じように感じられた方は、ズバリ褒め下手かもしれません。このコラムでは、褒め下手の方に見られる3つのタイプに合わせた解決方法をお伝えします。

「何を褒めて良いのかがわからない」方は、まずはじっくり観察から!

褒めるのが苦手な人は開口一番、「何を褒めて良いのかがわからない」と、言われます。
それならまずは、観察力をアップしてみましょう。具体的には、最初は、部下の見た目の些細な変化を見過ごさないように心がけましょう。そうした点から自然と褒めポイントが見つかります。
毎日顔を合わせているなら、昨日の部下の髪型やメイク、服装は覚えていますか?
例えリモートでも、小さな画面で見える部下の顔つき、顔色や、表情などで、何らかの変化を感じ取れると思います。

部下が髪型を変えても気付かずスルー。スーツや靴が新しくなってもスルー。これでは褒め上手への道のりはかなり遠いですね。
「褒める」の最初のステップは、相手の変化に気づくことです。
相手の変化に気づき、「私はあなたをきちんと見てますよ。変化に気づいてますよ」
と伝えることは、相手の存在を承認していることに繋がります。
虫眼鏡で探すイメージ

女性の上司から女性の部下になら、髪型やアイメイクや口紅など些細な変化を伝えると効果的です。
「前髪短くして、なんだかすっきりしたね」「今日のアイシャドーは華やかでいいね」「口紅を明るくしたの、とても似合ってるよ」など、女性ならではの視点で細かく伝えると良いですね。

男性の上司であれば、女性部下の外見を褒めるとセクハラ行為になる恐れがあるので、変化に気づいたと知らせるくらいが良いですね。

いずれも、日頃から相手に興味を持って、観察して記憶に留めることで、見た目の変化に気づき褒めるタイミングが見つかります。
毎週研修で行く企業で、「今日はお茶なんですね」と、突然受講者の1人から声が掛かりました。私は驚いて「なんで?」と聞くと、「いつもお水だから」と。
私自身、お水とお茶を意識した行動では無かったですが、些細な変化に気づいてくれたのはとても嬉しい記憶として、今も残っています。

「褒めても何だか嘘くさいと思われそう」と心配な方は、まずはあなたが褒められることに慣れましょう!

二番目に褒めるのが苦手な理由として私がよく聞くのは、「わざとらしい」「嘘くさい」だから「褒めたくない」という意見です。
実はこれ、褒められるのが苦手な人に多い意見でもあります。
褒められた時には、謙遜し過ぎず、疑心暗鬼にならずに、相手の言葉を素直に受け入れることに慣れましょう。
褒められるのが苦手なのは、日本人独特の考え方が影響しているのでしょう。いわゆる、謙虚さです。
贈り物をする時、「つまらないものですが・・・」と、自分を相手より下げて行動したり、言葉を伝えたりする習慣があります。褒めてもらっても、「いえいえ私なんて・・・」と、素直に受け入れないことが、美徳であると思うからです。
褒め言葉=お世辞と受け止めたり、褒め言葉=おだて?といぶかしんだりして、それに乗ってしまって『扱いやすい馬鹿な奴』と思われたくない!という考えの方もいるかもしれません。
残念ながら相手の思惑は分かりません。当人以外誰にも分からないからこそ、褒められるたびに疑心暗鬼になるのではなく、いっそ素直に受け止めましょう。

「ありがとう」や「そんなこと言ってくれて嬉しい」とポジティブに受け止めて、ポジティブに返しましょう。
相手はあなたがポジティブに受け入れると、「嬉しいな」「伝えて良かった」と、思うはずです。

謙虚さは美徳とされていますが、行き過ぎてしまうと、相手を傷つけてしまうこともあります。
褒めを真正面から受け止めることに慣れると、次第にあなた自身が他者を褒めることへの抵抗感が減っていきますよ。

Good、Nice、OKの褒めを連想させる札3つ

私は、20年以上サービス業で働いてきたので、褒めることが得意です。
しかし、そんな私でも、褒めた相手から「そんなこと無いです」「私なんて」「全然」と言われると残念に感じます。
嘘ではなく、本当に感じたことを褒めているのに拒否されると、「私のことが好きじゃないのかな?」「私の感性間違っているのかな?」と、悲しい気持ちになります。

なので相手には、まず受け止めて!と、お願いします。
「そんなことなでいす。でも、そういってもらって嬉しいです」と一旦は受け止めるよう、アドバイスしています。

褒められた人がそう答えると、褒めた人は、『うれしいな。いい所みつけたらまた褒めよう』となるからです。
褒めを受け入れるのが、どうしても苦手!という人は「いえいえ、でもありがとうございます」と、一旦謙遜しても、最後は受け入れる方法を試みてください。

「変に褒めて、部下に勘違いさせたくない」方は、むしろ調子に乗るまで褒めましょう!

「褒めるのって意味ありますか?」「褒めたら勘違いするから褒めたくない」と言った意見もあります。
これは、「部下が勘違いして頑張らなくなる」「どうせ効果なんかない」と、感じられている方からよく聞かれる意見です。

でも、本当にそうでしょうか?

「褒める」ことは、相手を認める、承認することです。部下の承認欲求を満たすことは大切です。褒められて、調子が出て、モチベーション高くチャレンジすることで良い結果を生むことも多々あります。
逆に、何をやっても褒められず、モチベーションが低い状態で、あなたはチャレンジ出来ますか?
チャレンジすること自体が難しくなるかもしれません。

チャレンジするとき、失敗はつきものです。
それは、上司であるあなたが褒めたから失敗したのでしょうか?褒めても褒めなくても、人はどこかで失敗します。
失敗は成功の基として、失敗してもそのチャレンジを褒めること。褒めることで、部下が更なる高みを目指せるようになる部下指導を、あなたにしていただきたいと思います。

あなたのために!のイメージ

褒められると嬉しいものです。私もついつい浮足立ってしまうのは、否めません。しかし、褒めてもらっていると、期待に応えようとして、更に頑張らないと!と、自分自身を鼓舞します。
私も部下に対して、心配に思うことがあり褒めるのを控えた時期もありました。
しかし、部下たちは、褒めるとこちらが思う以上の頑張りを見せてくれます。
そんな経験が、『惜しみなく褒める』今の私の研修スタイルになりました。

研修先で、ある女性スタッフが「社員になったのは数ヶ月だけど、アルバイトから働いているためキャリアが長いので、今は誰も褒めてくれない。大縣先生が沢山褒めてくれたのが嬉しかった」と、研修最後の日にプレゼントのお菓子を手に、私のところまで伝えに来てくれました。
褒めて良かったと、改めて褒める大切さを実感しました。

褒めるのが苦手な人についてお伝えしました。
リモートで離れてしまった今こそ、観察して、気づいて、褒めて承認する。
部下を伸ばす褒めを実践してみてください!

苦手な「褒める」を克服した方は、こちらのコラム

褒め上手になって部下をスクスク育てよう! 褒めるタイミング、内容、言葉選びのポイント


で、更に褒め上手になって下さいね。
あなたの褒めで、たくさんの部下の方たちが育ち、たくさんのよい関係が築けることを期待しています!

心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表すためのアイデアが詰まったウェブマガジンです。お役に立てれば幸いです。

このマナーについては、#マナーOJTインストラクター

日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 大縣 真弓

講師大縣 blog

あなたにおすすめの記事