「暑さ対策でみんなが優しい気持ちになれる」気遣い美人マナー3つのポイント
2020/06/26
みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの広瀬綾華です。
「ソーシャルディスタンス」という言葉が新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、注目されました。
社会的距離や思いやりの距離ともいわれ、感染対策の目安として、離れる距離は2メートルを推奨されています。
例えば、レジに並ぶとき。以前は、多くの人が並べるように気遣いながら、前後の人と離れすぎないようにと並んでいました。今は「ソーシャルディスタンス」を保つことが周りの人への気遣いです。以前のような並び方をすると、周りの人に不安や不快感を与えることになるでしょう。
あらためて思いやりの心を行動であらわす「マナー」について、意識してみましょう。
ソーシャルディスタンスのこの夏は、ぐっしょりかいた汗の臭いを振りまいていないかの心配は幾分減ります。
ですが、今年も暑さと汗との格闘は変わりなさそうです。マスクをつけている分、顔周りの汗との格闘は、今年こそハードになりそうですね。
電車の中でびっしょり汗をかき、しばらくその汗と格闘しているともしかするとその振舞いが知らず知らずのうちに周囲の人をイライラさせたり、ひいては残念な印象を与えたりしているかもしれませんね。
このコラムでは、印象の良い立ち居振る舞いを指導して来た、マナー講師がおススメする、暑さ対策グッズを上手に活用した、暑い盛りでも優しい気持ちになれる3つのポイントをお伝えします。
出かける前の暑さ対策!簡単ひと手間がその日の快適さを決める!
出かける前のひと手間で、外出先で流れ出る汗を抑えられる、夏の必須アイテム。使用するタイミングはずばり、汗をかくその前です。
夏の登壇機会にもスーツで臨んでいる私が、マナー講師生活の中で愛用して来たアイテムをご紹介します。「制汗剤、インナー、脇汗パッド、それに、ストッキング」です。
制汗剤(塗るロールオンタイプ)は、洋服を着る前に脇下にサッと塗ります。汗を一時的に減らしてくれる効果があります。
肌着の上には必ずインナーを着用し、ブラウスやシャツが直接肌に触れないようにします。汗をかいても蒸れにくいインナーは必須アイテムです。サラッと着心地よく、すぐ乾くものだと汗がベタベタしないので、それだけでストレスが軽減されます。
また、脇汗パットもおすすめです。流れてくる汗を吸い取ってくれので、洋服の汗ジミ対策にもなります。
洋服に取り付けられるタイプと肌に直接貼りつけるタイプのものがあります。
その日の予定や着る服、特に短い袖のものなどは、角度によっては見えないかなど使い分けます。私は、夏場の研修では、常にジャケットに取り付けるタイプを愛用しています。
前日の夜に取り付けておけば、見えるか、落ちないかのチェックも入念に行えるので、出かける前にバタバタせずにすみます。そして、ビジネスシーンでの必須アイテム、ストッキングは、夏専用のものを選びます。身体の熱を効率よく逃がしてくれるタイプや消臭加工がされているタイプなどがありますので、この時期は是非こうした機能性ストッキングを選んでみてください。肌触りもサラサラでひんやりして履き心地がよいので手放せませんよ。
びしゃびしゃに汗をかき、それを脇目もふらずに処理している姿や、そのあとに発生するだろう気になる臭い。想像するだけでストレスですね。周りの人を不快にさせないひと手間は、オトナ女性だからこそできるお出かけ前のエチケット。自分を美しく見せることにも繋がります。
それでも汗が出てきたときは!素早い対応でニオイ被害をおさえよう!
出かける前の暑さ対策を完璧にしても流れ出てくるすべての汗を止めることはできません。そんなときにおすすめなのが、汗拭きシートです。汗拭きシートはひんやりして気持ちいいので、肌のほてりをクールダウンしてくれることで汗がおさえられます。本来、汗にはニオイがありません。
汗をかいたあとそのままにしておくと、汗と皮膚の皮脂やアカなどを餌にする細菌が繁殖します。この細菌が汗や皮脂などを分解することでニオイの基となる物質が発生し、不快なニオイが発生します。
こんな状態のまま、扇子やハンディファン(小型扇風機)を使用するとどうでしょう。不快なニオイを周りに漂わせてしまう可能性が…!!
そうならないためにぜひ、汗は早いうちに処理しましょう。
抑えるときは目立たないように美しく…を意識しましょう。
汗拭きシートを綺麗に折って掌におさめ、親指ではさみましょう(写真あり)。指先を揃えて、顔と首元の汗を丁寧にゆっくりとおさえます。このとき、時間をかけない、こすらない、また、脇を広げて、首を大きく傾けたり回したりしながら拭くのは、やめましょう。見た目も美しくありませんし、隣や周りの人の迷惑になります。
社会的距離や思いやりの距離の意識が高まっている今、より厳しい目で見られるかもしれませんね。
仕上げは風を利用して!爽やかマナー美人の極意は周囲への思いやり
扇子やハンディファンは暑さ対策、熱中症対策に欠かせないアイテムです。でも使うのは、この『汗処理が終わった後』のタイミングです。
その際、周りの人に風を送ってしまわないように、風向きを上にして使いましょう。
扇子は脇を締めて胸の高さに持ち、手首を小さく軽く動かします。顎の方へ向かって仰ぐと、優雅に見え、周りの人へ風を向けなくてすみます。ハンディファンも基本、扇子と同じです。脇を締め、胸の高さに持ちその場から動かしません。顎の方に向かって風をあてましょう。
絶対に手首を大きく動かして扇子をあおいだり、顔の正面や身体に向けてハンディファンを使ったりしてはいけません。
この扇子やハンディファンで、不快な思いをしている人は意外と多いのです。
想像してみてください。
隣の人の顔や体にあたった風が“バウンド”して、あなたの髪をかき乱していたら?
なんだか臭うなと思ったら、後ろの人があなたに背を向けてハンディファンを全開で回していたら?
マナーとは、思いやりの心を行動で表すことです。
自身がされて嫌だったなと感じたこと、思わずお友達などに「聞いて聞いて!こんなことあったんだよ!!」とお友達や家族に訴えたことを思い返せば、おのずと集団の中での扇子やハンディファンの使い方にも気を付けられるかもしれませんね。
その上でワンステップ進めて「眉間にしわを作り険しい表情で扇子を動かす姿」を、周囲に見られるとどうかな?なども考えてみてください。
電車の中や通勤中の雑踏などでは、どうしても必要なときだけ使用することをおすすめします。
ただ、暑さの我慢は禁物です。
倒れることだけは無いように、今年も夏の暑さを元気で乗り切りましょうね。
周りの人を気遣い、自身のからだのことも思いやる。
お互いに優しい気持ちになるためにおさえておいていただきたい、暑さ対策ポイントをお伝えしました。
暑さは体力や心の余裕をも奪っていきます。暑さに翻弄されずしっかり対策をして、気遣い美人になりましょうね。
心地よい人間関係を築くヒントをお届けする「Manner Up Magazine(マナーアップマガジン)」
思いやりの心を行動で表すためのアイデアが詰まったウェブマガジンです。お役に立てれば幸いです。
このマナーについては、#マナーOJTインストラクター #ソーシャルマナー
日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 広瀬綾華
講師広瀬blog