しばらく会っていないあの人に こんな時こそ、思いの伝わる手紙をしたためましょう!
2022/01/28
みなさんこんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの加藤りん子です。
会いたい人に会えない時間が募りますね。
パソコンやスマートホンが普及し、手紙を書くことが少なくなっています。
手書きの文字は、画一的なフォントよりも、書き手の人となりが想像でき、ほっこり温かい気持ちを届けてくれます。
季節に合わせ封筒や便箋などのデザインを選ぶのも楽しいものです。
手紙は、書く準備をする時から相手を思い、その気持ちを大切に手紙にしたためます。
書き手の思いがこもった手紙をもらったらうれしいですよね。
このコラムでは、久しぶりに誰かに手紙を書きたくなったけど、何を意識すればいいのか気になる方必見!
マナー講師の加藤りん子がお伝えします。
気持ちを伝える手書きの手紙のしたため方
これだけ読めばとりあえず手紙を、書きたくなる!
誰に出す? 悩んだらまずは年賀状をいただいたあの人に書いてみましょう!
メールやSNSなどが一般的になり、手紙はほとんど書かないという人が増えています。
手紙には、拝啓ではじまり、敬具で終わるなどルールがあって面倒に思われがちです。
また、「字が汚いから恥ずかしい」と感じる方も少なくありません。
文化庁が平成 27 年度に実施した『国語に関する世論調査』の中で、『離れて住んでいる家族や親族とやり取りをするときどのような方法を用いているか』を尋ねました。
その結果では、携帯電話(スマートフォン含む)での通話が 71.5%と最も高く、手紙・はがきは、固定電話でのやりとりや、携帯電でのメールなどに次いで第4位の、11.7%にとどまりました。
どのような方法を用いてやり取りをするかという問いに対しても、手紙・はがきが選ばれる率は最も低くいことが示されました。
同じ調査の平成 26 年度に行われたもの中では、
『年賀状などにおいて印刷されたものと手書きが加えられたものとではどちらが良いと思うか。』という問に対し、『手書きされたものや手書きが一言加えられたもの』が87.6%と最も多い結果となっています。
(国語に関する世論調査 平成27年度および平成26年度|文化庁)
こうした結果からも、書く機会は少なくなっているものの、手紙やはがきはもらうと嬉しいものだということが分かりますね。
ちょっとした一言でも嬉しいという結果にある通り、年賀状は手書きで思いを伝える良い機会になります。
今からでも遅くありません。
年賀状を頂いた方に、お返しとして。
季節の挨拶として、まずは出すことから始めましょう。
マナーアップマガジンでは、短いお手紙で気持ちを伝える一筆箋の活用についても紹介しています。
是非参考になさって、会えない日が続く今、あなたの気持ちを届けてみてはいかがでしょうか。
知っておいて損はない 便箋、封筒選びのポイント
さて書くと決めれば次は便箋選びです。
ここでは、送る相手によって、また目的によって使い分けられるようになりたい。
便箋の選び方について。
改まった手紙の場合は、罫線の無い白い便せんを使用するようにしましょう。
横罫線の入ったものや色柄ものは、親しい間柄などカジュアルな場合に使用すると良いでしょう。
封筒には、一重のものと二重のものがあります。
お祝いや正式な手紙の場合は二重を、入院や弔辞など重なってほしくない出来事があった場合は一重のものを選びます。
同様に便せんについても正式な場合は1枚で終えることが失礼に当たるとする考え方から白紙を1枚添えます。
目上の方へ送る際などには、1枚で終わらせるのでなく2枚入れるとよいでしょう。
この時期に文房具店を覗くと桜色の便せんや葉書などが並び、ひと際華やかです。
この桜色は、見ると心が躍りますね。
こうした思いをなかなか会えないあの人にも共有してみませんか。
友人の女性に、昔からよく手紙を書く人がいます。
内容は「最近どうしてる?」や、「旅行に行ってきたよ」など、メールでも簡単に済むような内容です。
しかし彼女はあえて手紙で送ってくれます。
彼女に聞くと「手紙を開けるときって、ワクワクしてとても楽しいでしょう?」と。
楽しさも添えて贈ってくれていることを知り感激しました。
そんな彼女から届く手紙には、桜の花びらが貼ってあったり新茶の茶葉が入っていたり。
受け取って嬉しい、手に取って、味わって、想像力を掻き立てられる手紙で心に残ります。
文章が苦手な人は、好きな詩や、著名人の言葉を引用してみるのも良いでしょう。
また、ポストに投函するものだけでなく、オフィスや日常の中でちょっとした感謝の気持ちを伝たいときに、そっと手渡すのもよいでしょう。
その昔、平安時代にひらがなが誕生し、女性も文字を書くようになると手紙が大ブームとなりました。
源氏物語に出てくる手紙の殆どが和歌をうたった恋文ですが、平安時代には植物を添えた折り枝付きの手紙を送ったり、薄葉紙や花すき和紙を使ってみたりなど、紙の色や質にもみなさんこだわっていたそうです。
相手の気を引くために色々考えたのですね。
さらに、便せんに香を焚きしめて送っていた文香(ふみこう)というものもありました。
自分の好きな香りを分身のように手紙に託し、その香りで自分を思い出してほしいという切ない思いが込められていたのでしょう。
送る相手のことを思いながら便せんや封筒を選ぶ。
相手に喜んでほしいと心を砕く様子はとても素敵ですね。
この柄を見た相手は心がふわっと軽くなるかな?
字は多少今一つでも、あなたを思って書いたこの気持ちとどくかな?
そんなことを思いながら、今なお会えない時間が続きますが、ぜひ、今のこの時間の中でも、誰かを思いやる気持ちを大切に過ごしましょう。
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このマナーについては、#ソーシャルマナー
日本マナーOJTインストラクター協会
シニアマナーOJTインストラクター 加藤りん子
講師 加藤りん子 blog
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