コロナ禍でも平時でも使える!ビジネスギフトを送る際の3つのポイント
2021/02/26
みなさんこんにちは。
マナーOJTインストラクターの安徳 美妙です。
春は人事異動のシーズン。
お取引先の会社から昇格、異動などの話がちらほら聞こえてくる時期です。
普段、世話になっている方に直接お会いしてお祝いやお礼の言葉を添えてギフトを渡したいところですが、このコロナ禍です。
普段の商談ですら、リモートが推奨されていることも多いと思います。
そこでお勧めなのがギフトの配送です。
いくつかのポイントおさえておけば、手渡しでなくとも失礼にはあたりません。
このコラムでは、ワイン専門店におけるビジネスユースでのギフト配送、思いを伝える送り方についての提案経験も豊かなマナー講師、安徳美妙が、ビジネスシーンにおけるギフト配送についての、思いやりの心を伝えられるマナーについてお伝えします。
ぜひ、お世話になった方との一期一会の機会を素敵に彩れるギフト配送について、ご一読ください。
ビジネスギフトだからこそ誰から、誰への『格』を揃える 送り状やのし紙で恥をかかないポイント
ビジネスシーンでのギフトの場合、会社の誰から誰に贈るのかは、とても重要になります。
例えばあなたが所属する営業部が取引している企業の社長が交代となった場合に、新任の社長宛に御祝のギフトを贈るとします。
担当する営業部でギフトを手配したとしても、あなたの会社の社長名でお贈りしましょう。
営業部の取引先に贈るのであれば、面識のない社長よりも営業部長や営業本部長名がいいのでは?と疑問に思われるかもしれません。
しかし、この場合意識したいポイントは、役職の格を揃えるという点です。
会社のトップに贈るギフトであれば、受け取り手の格にあわせ、送り主を自社のトップからとすることが基本です。
目下の役職からでは、失礼となる場合もあるので、十分に注意しましょう。
そして、一点とても気つけていただきたい点があります。社長名で手配する場合には、社長秘書と必ず連携をとることを忘れないでくださいね。会社によっては秘書が手配する、または秘書が事前に内容を確認することも多いかと思います。
もちろん社長に限らず秘書またはそれに準ずる担当の方がいる役職の方の場合も同様です。
送ったあとのお礼状が来たときに、「はて、これは?何故?」となることが無いように。
自社内でのスムーズな連携をとるためにも、こうした情報の共有を日頃から心がけましょう。
お店でギフトを選び、配送の手配をする際には以下の点を、必ずおさえておきましょう。
のし紙の「表書き」(「上書き」)と「名入れ」についてです。
この場合のし紙の表書きは「御祝」または「ご就任御祝」で、名入れは贈り主である○○会社代表取締役社長○○とあなたの会社の社長の名前を記入します。
ちなみに、表書きはその時々の状況によって違うかと思いますが、「御就任祝」などの4などの忌み数を連想させるものは避けた方がよいでしょう。
こうした古くからある習慣は、今でも避けておくのが無難です。
また、配送の際にはのし紙は内のし(包装紙の内側にのし紙を掛ける)で送ります。
そして、送り状(配送伝票)の宛先には株式会社を(株)と略したりせず、正式名称を記入しましょう。もちろん、この場合ものし紙同様、あなたの会社の社長の名前で送りましょう。
送り状を書く際には相手が読みやすい丁寧な字で書くことが大切ですが、ご自身の字にどうしても自信がない!という方も中にはいらっしゃると思います。
そんな方は、予め購入するお店から送り状を預かり、清書してから持参するとよいでしょう。
お店ごとに指定の配送業者や、伝票があるので、余っていた伝票に書いて持って行ったとしても結局書き直しとなり、結果、慣れないカウンターで緊張して書くので、普段以上に下手な字になってしまった…なんておことにもなり兼ねません。お気をつけくださいね。
手渡し出来ないからこそプラスワンの心くばりを 印象アップのポイント
ギフトが届いた際、会社であっても、のし紙を見れば誰からのどういったギフトなのか、ということが分ります。
ですが、直接持参して、対面で伝えられない気持ちを、より確かに伝えるために。
ぜひ、ご挨拶状を添えましょう。
お祝いやお礼などの言葉はもちろんのこと、なぜその品を選んだのかというメッセージなども添えれば、「以前お好きだと伺っていたので選びました」や「会社のみなさんにも喜んでいただけるかなと思って送りました」と伝えることで、より大切に思っていることが伝えられます。
私たちマナー講師は講習でいつも「気持ちが相手に伝わるように行動することの大切さ」をお伝えしています。
のし紙に「御祝」と書かれたギフトが届くだけでも、もちろん、祝ってくれているんだなということは伝わるでしょう。
しかしそれに加えて、「大切なあなたのために、このような思いで、この品を選びました」という気持ちを伝えるためには、定型文だけでない、プラスの一行が大きな差をつけます。
その一行で、受け取り手やその会社の方々の顔を思い浮かべ、喜んでもらえることを期待して行動したと伝わる一文であれば、なおGood!ではないでしょうか。
役職就任などのおめでたいことであれば、ギフトは他からもたくさん届くことでしょう。
その中で、相手を思いやった一文のある挨拶状が添えられていたら。
その挨拶状からあなたやあなたの会社のイメージを膨らまし、結果、親しみや好い印象が残るでしょう。
もちろん挨拶状についても先述の通り、社長名等で贈る場合には秘書の方との打ち合わせもお忘れなく!
販売して来たからこそわかる スタッフアドバイスでマナーアップのポイント
私は、販売員として働いているので、社用のギフトでシャンパンやワインのご配送を承ることが非常に多いです。
会社宛にお届けされる方には、お持ち帰りされる時のために、ご配送時にはギフト用の紙袋を添えることをご提案しています。
また、お届けの日時は当然先方の会社が営業しているオフィスアワーを指定しますが、お祝い事であれば午前中を指定、お日にちはお日柄の良い日をご提案します。
「そこまで気にしなくとも~」とおっしゃる方も中にはいらっしゃいます。
ですが、社用のギフトを贈られると伺うと、これまでの経験や想像力をフルに働かせ、気持ちよく受け取っていただけるための気配りを最大限発揮します。
私も含め販売員は、ギフトを承る際には、ご用途やのし紙の書き方、ギフトの包み方、お届け日時などは念入りに確認を重ねます。
たかがギフト、されどギフト。
ギフト一つで、贈る方の思いから、贈る方の人となりも伝わると信じています。
だから私たち販売員は最善を尽くせるように心を砕いています。
「そんなこと言われても不慣れで分からないことだらけだわ」というときは、売り場の販売員の方に、「慣れていなくてよく分からないので教えてくれますか?」ときいてみましょう。
喜んでお手伝いします!
こんな時だから、ギフトは直接手渡しでなく、配送にしようという、心遣い自体が素敵なこと。
今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひその素敵な気持ちをお相手に伝わるよう届けてくださいね。
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マナーOJTインストラクター 安徳 美妙
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