パパの育休取得 うまく利用してママも輝く!
2022/09/23
こんにちは。マナーOJTインストラクターの本田奈保美です。
皆さんの周りに育休を取得した男性はいますか?
うまく利用すれば、男性の育休は実はメリットだらけ!
ママのキャリア形成の強い味方にもなる男性の育休取得について、今日はご紹介します。
育休制度今と昔!こんなに違う世間の認識
育児休業というと、ひと昔前までは女性が取得するものという感覚がありましたね。
最近はそうしたイメージも少しずつ変わり始めています。
私が出産、育児を行っていたのは10年ほど前ですが、その頃男性が育児休業を取得したという話はほとんど聞いたことがありませんでした。
我が家でも『男性の育休取得』など、考えすらしませんでした。
それが今では『イクメン』という言葉とともに、男性が子育てに参加することが『当たり前』というムードは徐々に世間に浸透しています。
男性の育児参加を積極的に推進しようと政府も環境整備に力を入れ始めています。
男性が育休を取得するメリットは何も家族側だけでなく、実は企業側にもメリットがあるのです。
助成金による金銭的な援助を受けられたり、『くるみん』や『イクメン企業アワード』などの認定を受ければ企業イメージの向上を図れたりもします。
今や5割以上の男子学生が「育児休業をとって積極的に子育てしたい」と考えているようです。
(2021年卒マイナビ大学生のライフスタイル調査|HUMAN CAPITALサポネットpowered by マイナビ)
これは、大学で少子高齢化における日本の社会保障の問題やワークライフバランスについて学ぶことも影響しているのかもしれませんね。
そんな流れの中でもまだまだ理解を得られないケースも少なくありません。
今年7月に朝日新聞に掲載された記事をご紹介します。
共働きの妻が間もなく出産を迎えるという30代の男性が「以前伝えた通り、9カ月間の育休を取ろうと思います」と面談で伝えたところ、「そんなに長いの?1カ月くらいかと思ってた」と上司から返ってきたそうです。
その後も男性の育休取得をとがめるような質問をされた上に「育休を取るのは制度だからいい。取ることで損しても、自分の人生だから。それで出世できなくなっても、いいと思うよ」と言い放ったそうです。
朝日新聞2022年7月8日掲載記事「育休 男性とりやすくなった?」
これでは制度はあってもなかなか利用しづらいですね。
この記事とは逆に、「上司に申し出たらあっさり許可が出た」というケースもあります。
どうせ言ってもダメだと思い込んで取得をあきらめるのではなく、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
ワークライフバランスという言葉もすっかり耳に馴染みました。
今では男性の育児参加はポピュラーなことです。
『ダメだ、だめだ。どうせ無理』と決めつけるのではなく、まずは信頼できる身近な方に勇気を出して相談することをお勧めいたします。
一人で抱え込まずに、周囲に相談することで、あなた(と、あなたのパートナー)の希望を理解してもらえるようになります。
その際も、親和性を高める接し方をするためにも、表情、特に笑顔とアイコンタクトで接することが大切です。
表情に加え、身振り、手ぶりは思いを伝えるのに有効です。
変化は存外身近にも及んでいるかもしれません。
ぜひ、臆することなくまずはあなた(と、あなたのパートナー)の希望を発信していきましょう。
こんなにあるある!あなたにあった支援制度を活用しよう
男性の育児休業の取得を後押しする改正育児・介護休業法が2022年4月から段階的に施行されています。
改正育児・介護休業法の大きな狙いは、男性が育休を取りやすくすることです。法改正ではその後押しを3段階で進めています。
まず今年の4月から、企業は妊娠を申し出た女性や、配偶者が妊娠した男性従業員へ、育休取得の意向確認や制度の説明が義務付けられました。
その際、育休を取らないよう威圧したり、不利益を示唆したりすることは禁止されています。
この10月からは、子どもの出生から8週間前の間に、合計4週間までの育休を最大2回まで分割して取得できる制度、いわゆる『産後パパ育休』が始まります。
そして来年(2023年)4月からは、育児休業の取得の状況につて公表することが義務付けられます。
(育児・介護休業法について|厚生労働省)
この他、ある要件を満たせば育児休業の対象となる子どもの年齢が1歳から1歳か月まで延長される『パパ・ママ育休プラス』という制度もあります。
また子どもの看護休暇は、2021年の法改正で半日単位から時間単位で取得できるようになっています。
もう一つ大きな改正としては、育児休業中は原則として就業することはできなかったのですが、上記の「産後パパ育休」では限られた範囲内で就業することが認められています。
引継ぎなどで完全な休業が難しい場合には、大変有効な制度ですね。
子供の養育のために柔軟な働き方をしたいと考えるなら『短時間勤務制度』も有効です。
詳しい情報はネット上にあります。
このコラムではキーワードだけを正確にお伝えしていますのでぜひご自身で調べて、あなたの生活環境に適した制度が無いか探してください。
これはフリーで活躍するマナー講師の基本でもありますが、あるキーワードを目にするとすぐに調べます。
信用できる情報にアクセスすることで私自身の、果ては、私の講座を受講される方の役に立つ、正しい情報を仕入れるために。
こうした情報収集力と、メディアリテラシーは、大変大切です。
あなたも、あなたの生活に適した制度が見つかると良いですね。
育休をうまく活用して、仕事も育児もあきらめない!
これから施工される新制度を含めいくつかの制度を紹介してきましたが、ここからが本題です。
マナーアップマガジンのコラムをお読みの方には、女性として仕事と家庭の両立で悩まれている方が少なくないと思います。
ここで紹介したこれらの制度を理解し、上手に活用していけば、ママのキャリア形成の手助けにもなると私は信じています。
男性が育休を分割して取得できるようになったことで、夫婦で育休を交代で取得したり、途中交代したり、パパがママの職場復帰への活動をサポートできるようになるのです。
そうなれば、女性の育児によるキャリアロス期間の短縮につながります。
ママだって育児を理由に自分のキャリアをあきらめなくていいのです!
男性も育休取得により、ご自身のキャリアや将来の家族の形について、じっくりと考える時間を取れるようにもなります。
男は仕事、女は家庭という価値観がいまだに残っていることも事実ですが、夫婦の形もキャリアの形も変わる。
そんな新しい時代は、もう目の前まで来ているのかもしれませんよ。
私が出産し、育児が始まった10年前と比べたら公的なサポート体制は格段に進歩しています。
6歳未満の子を持つ夫婦のうち、夫の家事時間・育児関連時間は、日本は1日1.5時間ほどだそうです。
アメリカやスウェーデンなどは3時間以上あるそうで、そうした国と比べても日本の『夫』の家庭への貢献時間は低い水準にあると言えますね。
(6歳未満の子供を持つ夫婦の家事・育児関連時間(1日当たり,国際比較)|男女共同参画局)
家事・育児の負担は妻にかかる比重が多くなっています。
妻の睡眠時間の短さでも、日本は世界1位というれぽーともあります。
(なぜ、日本の働く女性は世界一睡眠時間が短いのか -結婚と家事分担・女の言い分|PRESIDENT WOMAN)
1人目の出産の時は、育児の大変さが分からず男性の育休取得は検討しなかったが、2人目を考えるなら男性の育休取得は必須と考える方も増えてきています。
今回の新制度による法改正は、夫婦の絆とチームワークを強め、より良い家族関係を築くきっかけになるかもしれませんね。
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