お客様をファンにする!上手なクレーム対応のポイント
2019/08/02
みなさん、こんにちは。
シニアマナーOJTインストラクターの毛呂霞です。
日々の業務の中で、クレーム対応をしたことがある方は多いと思います。
クレーム対応をする方々からよく聞く言葉は、「怖い」「嫌だな」というネガティブな言葉です。確かに厳しいご指摘を受けるのは緊張するものですが、『クレームはお客様をファンにするチャンス』でもあります。
「クレームは氷山の一角」という表現があります。
氷山は、見えている部分は小さく、見えていない部分のほうが大きい。つまり、クレームで表面化されるのはごく一部であり、ほとんどが見えないクレームで、無言であるということです。
表面化されたクレームというのは、お客様がその会社やサービスに対し、期待し、ご意見くださっているということ。だからこそ、上手なクレーム対応をすることでそのお客様をファンにするチャンスなのです!
今回から2回にわたり、クレーム対応のコツを6つのステップでお伝えします。
ステップ1:お詫びには一言付け加える
まずはお詫びをする。それは当然、ご存知かと思いますが、こちらの非をいきなり認めるのではなく、そのお客様の感情に対してお詫びをします。
たとえば、「不愉快な思いをさせてしまい」や「ご不便をおかけし」など、お客様の感情に寄り添う言葉を一言、付け加えます。
怒りというのは第2感情です。怒りの前には第1次感情というものがあります。
それが『悲しい、疲れた、苦しい、辛い、めんどくさい』などで、それを「理解してくれなかった」と判断したときに「なんで理解してくれないの!」と第2次感情の怒りが湧き、クレームになるのです。
その怒りに達したときは、ほとんどの人が第1次感情を忘れてしまいます。そこでまずは、その第1次感情に対してのお詫びの一言を伝えましょう。
これは、仕事に限らず、プライベートでも同じです。
身近な恋人や夫婦間での喧嘩を思い出してみてください。喧嘩になったとき、ご主人に「ごめん、ごめん」と謝られたが怒りが収まらない、「なんでわかってくれないの!」となりがちですよね。
これが、「不安にさせてごめんね」「悲しい思いをさせてごめんね」だと、いかがでしょうか?
クレーム対応でも、まずはお客様の気持ちに寄り添い、第一次感情に対して謝罪をしましょう。
ステップ2:お客様の話に耳を傾け、さらに復唱をする
2つめのステップは、お客様の話をよく聴くこと、傾聴することです。
傾聴とは相手の話をよく聞くことです。以前、コミュニケーションマナーの『聴き上手になるための3つのポイント』の記事でもご紹介しました。
クレーム対応もコミュニケーションですから、傾聴は大切なポイントです。そして、さらに効果的なのが、傾聴時に『復唱する』ことです。
復唱することで得られるメリットは2点あります。
1点目は、相手が自分の気持ちを理解してくれていると感じるということ。2点目は、自分が相手の話を正しく理解できているか確認することができるということです。
さらに、復唱して「お客様がおっしゃっていることは、……ということでよろしいでしょうか?」と確認することで、まずはお客様が口を閉ざす間をつくることができます。そして、お客様の口から「イエス」という言葉が出ることで、お客様の興奮が収まるという効果があります。
ステップ3:お客様の気持ちを理解する
ステップ1と2をした後はすぐに解決に向かいたいところですが、ここで大切なのがお客様の心情に寄り添うことです。
早く解決しようとしすぎるあまり、解決行動に入ろうとすると、さらにお客様の怒りを増長することもあります。
お客様の第1次感情に対し、担当者が理解を示すことでお客様の心のケアができます。
「この人に話して良かった」と思い、安心感や信頼感に繋げることで、次回に何かあった際もお話してくれるようになります。そして、次のクレームでは第2次感情の怒りまでいかず、第1次感情で留まる可能性も大いにあります。
私の過去の経験ですが、クレーム対応の際に、特にお客様の気持ちに寄り添うことを一番に心がけて対応したところ、実際にお怒りも静まりました。何かあったときは頼ってくださるようになり、私が大阪へ転勤が決まったときはお手紙をくださいました。
最初のクレームでは、「もうこんな店来ない!」とまでお怒りでしたが、今でもその会社のお客様として、通ってくださっています。
いかがでしたか?
ここまでの初期対応が非常に重要で、クレームをくださったお客様をファンにするための第一歩です!
「この人に話して良かった」「やっぱりこのお店(会社)はきちんと対応してくれる」と思ってもらえるように、まずはこの3つのステップを意識して実践してみてください。この後の3つのステップは次回の記事でお伝えいたします。
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シニアマナーOJTインストラクター 毛呂 霞
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